百合宮一族の使用人叙情死

独特な世界観や、キャラクター同士の関係性を重視する方は 楽しめる作品だと思います。 【悪いと感じた点】 ・NPCやPCの行動原理にやや難がある ・PC同士の関係性が重視され、ゲームとして「PLに謎を解かせる」導線が弱い 【良いと感じた点】 ・世界観の作りこみやデザイン ・制作者の「こういうのが好きだ」という好みが表れている

BOOTH説明文の『メリバ要素強め・RP（PCの心情への寄り添い）重視・ロストあり』辺りで刺さる人は刺さるだろうということがわかるでしょう。 生前クローン開発に携わっていた故・百合宮桂の屋敷において使用人が死に、彼の手には百合宮一族とその使用人たち一人一人に宛てた手紙が抱かれていた──というシナリオです。 全PLが相当場馴れしていればGMレスは可能ではある、が……というレベルのボリューム感です。情報量が多く、議論時間も2時間超、しかも真相到達率低め（公式見解）とのことで初心者にはおすすめできません。逆に中級者〜にはおすすめです。 シナリオではっきり提示されている通り全員がキャラクターとしての意識を強く持つことで、議論で明らかになる事実やエンディングに対してより感情移入できる設計です。またそのため、他PCの秘密に対して寛容になりやすく情報の隠匿が多くなる印象です（このシナリオに限りませんが）。 メリーバッドエンド（バッドエンドに見えるが当人にとっては幸せな終わり方）に対して余程強い苦手意識がある方はやめておいた方がいいかと思いますが、そうでなければプレイできる・楽しめるのではないかと思います（個人の感想です。最終的にはご自身で判断してください）。 総合的に満足度の高いシナリオでした。