魔女は黄昏の鐘に消える

さすがのSNE作品。安定したクオリティです。 舞台はある高校の閉鎖された旧校舎。ミッション系女学院であるので、チャペルや鐘楼など雰囲気が滲み出ます。 登場人物はその高校の生徒や先生たち。リアルな役柄と情景が、すぐに世界観に引き込まれます。 旧校舎には魔女の噂が出ており、学校系ホラーの雰囲気を味わうことができます。 すべてがバランスよく、誰でも安定して楽しめると思います。奇をてらったギミックなどは好き嫌いにわかれると思いますが、この作品はよくも悪くも普通なので、好き嫌いに別れることなく遊べます。 SNE作品の最初に遊んでもいいと思うし、ひととおり遊びたい人にもおすすめ。SNE作品にはクセのあるものもあるので、まずはこのシナリオをプレイされるのはいいのではないでしょうか。

改装工事のための視察が決まった廃校舎に集まった見知らぬ7人の男女と一体の死体。7年前から魔女の出るという噂の流れる廃校舎を舞台に犯人探しを行うマーダーミステリーです。 尖った要素は少なくマーダーミステリー経験者でも初心者でも遊ぶことのできる内容だと思います。 推理に地図を使ったり、？？という正体不明のキャラクターがいたり、キャラクターの情報カードの代わりサイトカードと現場カードで情報を集めるのが面白い試みだと思います。 選んだキャラクターの設定によってストーリーへの没入感や得点獲得の難易度に差が出てくると思うので、人によってゲームへの満足度が変わると思います。 エラッタされた情報を使わないとゲームバランスがおかしくなるのでゲーム前に確認しておきましょう。 ストーリーはオカルトの噂と真実が交錯している幻想的な学園ものだと思います。

グループSNE系列の作品の中では、特筆してここがすごい！！と言うものは無い ただその分、万人受けの内容になっているのではないか、と思う

まず冒頭から印象的。マーダーミステリーのよるあるパターンとしては、旅先や館内などなにかしら明確な理由があって集まった人々の中で事件が起こることが多いのですが、本作では本来人が来ないところで死体が発見され、そこになぜか7人の人が集まっています。 この切口はなかなか斬新で、そもそもあなたはなぜここにいるの??というところから、ヒューマンドラマが展開されていく、なんとも素敵な導入で個人的には大好きになりました。 マーダーミステリーの魅力の一つに「他の人の人生を追体験できる面白さ」ってあると思うんです。 そして本作のような高校生ものは、かつて誰もが高校生だった青春時代の追体験が出来る気がして、失った何かを思い出せる気がします。 舞台も現代の日本の学校なので、イメージもしやすいですね。初心者や未経験の方でも入りやすいシナリオ設定です。ロジカルさもエモさも緻密に内包されており、完成度の高いシナリオの一つ！